こんにちは(^_^)
当ブログをご覧いただき、ありがとうございます!
古民家を移築して、悠悠とした古民家ライフに憧れる方は多いと思います。
この記事に足を運んでくださった方も、そのような憧れをお持ちではないでしょうか?
しかし、古民家の移築については多くの疑問や不安をお持ちだと思います。
そんな疑問を少しでも解消するために、お役立ち情報を書いています。
是非、ご参考になさってください(^_^)
今回は「費用」についてのお話。いろいろな疑問の中でも、もっとも気になるのがコレではないでしょうか?
「天文学的な費用がかかるのでは?汗」「意外と安いのかも・・・」「移築ならではの費用ってあるのかな?」
新築住宅や分譲住宅とは違い、費用感を想像しにくいですよね。
当記事では、弊社が過去にさせて頂いた移築工事をもとに、現場からのリアルなお話をしていきます(^_^)
では早速、結論からお話しします!
古民家移築にかかる費用の目安は...
「新築の注文住宅 ≦ 古民家移築」
つまり「一般的な新築の注文住宅と同じくらいか、それよりも高くなりやすい」です。
「一般的」がどのくらいか難しいですが、仮に本体工事の坪単価を65万円としましょう。すると60坪のお家で3,900万となりますね。
実際にかかる費用は、建物本体工事の他に2割~3割ほどかかりますから、60坪の新築注文住宅の総費用を4,800万としてみます。
では、私たちが60坪の古民家を移築する場合、4,800万だとどうでしょうか...
私の感覚では、
「部材の状態が良くて、スムーズに建てられれば可能そう◎ 修繕が多かったり、遠方移築だったりすると間違いなくオーバーする△」
という感じです。これが実際の経験をもとにした費用感です。
いかがでしょうか?
「高っ!!」「だいたい予想どおり...」「思ったより安いかも...」
と、いろいろなご感想をお持ちになったかと思います。
では、もう少し掘り下げて、費用の内訳に迫っていきますね!
まず、全体の費用を4つに分けてみます。
① 古民家の取得費用
② 解体・修繕・運搬関係の費用
③ 本体工事の費用
④ 付帯費用・諸経費
① 古民家の取得費用
移築を行うためには、もととなる古民家の取得が必要です。
ここの費用については、ピンキリという他ありません...。歯切れよくお伝えしたいのですが、すみません...(T_T)
というのも、タダで譲ってもらえるパターンもありますし、1,000万近い費用で取得されるパターンもあるからです。
古民家との出会いは「運命」とよく言われますが、まさにそうだと思います。
ですので、ここについては私から費用感についてお話することは控えます。
ちなみに、古民家をお探しの方はご相談ください(^-^)
古民家専門の不動産屋さんをご紹介させていただきます!
② 解体・修繕・運搬関係の費用
古民家移築が一般的な新築ともっとも違う部分がこれでしょう!
この過程は新築には必要ないものですから、まるまるプラスαでかかってくる費用となります。
では、一体どれくらいの費用感なのでしょうか?
弊社がこれまでに行った移築物件を例にあげてみます。
物件A | 物件B | 物件C | 物件D | |
条件・状態 |
床面積 / 約140坪 解体条件 / △ 状態 / △ 遠方移築 |
床面積 / 約70坪 解体条件 / ✖ 状態 / ✖ 遠方移築 |
床面積 / 約35坪 解体条件 / 〇 状態 / 〇 近郊移築 |
床面積 / 約90坪 解体条件 / 〇 状態 / ✖ 近郊移築 |
解体費用 | 600万円 | 450万円 | 180万円 | 350万円 |
修繕・刻み直し費用 | 250万円 | 300万円 | 60万円 | 350万円 |
運搬費 | 200万円 | 120万円 | 30万円 | 50万円 |
合計費用 | 1,050万円 | 870万円 | 270万円 | 750万円 |
物件によって大きな差がありますよね。
よく「移築解体は坪〇万円」や「〇百万円」と書かれたものを目にしますが、実際には物件によって全く違います。実際の物件を確認してみないと、概算ですら判断が難しいものです。
とはいえ、費用感を掴んでいただく為に、この記事を書いていますので、少しでも参考にしていただけるための説明をしていきます!
費用を大きく左右するのは以下の4つ。
✓ 古民家のサイズ
これはもう単純に「大きいのか、小さいのか」ということです。
100坪を超えるような大型古民家ですと、人工、クレーンの費用、産廃処分費、仮設足場費用など...、全てに費用がかかりやすくなります。
かえって、30坪サイズの小さな古民家や板倉ですと、場合によっては4tユニックで事足りたり、仮設足場が不必要だったりと、費用を抑えやすくなります。
✓ 解体条件
主に古民家が建っている立地条件のことです。
山奥の一軒家だったりすると、建物の横まで車が入らないこともあります。そのため、解体をするための造成が必要だったり、13tクレーンでは届かず25tクレーンを使う必要もでてきます。
弊社の過去の事例では、解体するための造成に50車近い土砂を運んだこともあります。
✓ 構造材の状態
構造材がどのくらい傷んでいるか、ということです。
どのような案件でも、土台や柱の根元は傷んでいることが多いです。ここまでは想定内です。
しかし屋根から雨漏りがしていた場合、大切な牛梁や小屋組み、梁桁などが傷んでいることがあります。
何回も改築を繰り返している場合なども、柱や梁が途中で切断されていたり、なくなっていたりするので、修繕や刻み直しに費用がかかりやすくなります。
✓ 移築先との距離
部材の運搬費に大きく影響します。
大型古民家だと大型トラックに3車~4車。小型古民家だと1車程度が目安となります。
遠方になればなるほど、運搬費がかかります。最近は燃料も高くなっていますから、移築先との距離は費用に大きく影響します。
以上が、古民家移築ならではの「解体・修繕・運搬関係」の費用感です(^_^)
③ 本体工事の費用
よく「坪単価」で表される部分です。
建物本体の費用は仕様によって大きく変わりますが、過去の案件をもとにすると、
「注文住宅と同じくらいか、少し安い」といった感じです。
その理由として、
古民家の方が安くなりやすい要素 | 古民家の方が高くなりやすい要素 |
・ 柱、梁などの構造材の購入を大幅に削減できる ・ 開放的な間取りが多いので、間仕切りが少ない ・ 古建具をそのまま再利用できる場合も多い |
・ 構造を組み上げるまでに手間がかかる ・ 職人仕事(大工、左官など)に手間がかかる |
仕様やお客様のこだわりによって大きく左右されるので、一概には言い切れませんが、上に書いたような傾向があります。
従来の間取りを大きく変更する場合などは、人工や建材が増え、費用がかかりやすくなります。かえって、従来の間取りをなるべく活かし、内装だけをきれいに整える感じですと、比較的費用を抑えやすくなります。
移築後のプランを考える際には、従来の間取りに生活イメージを落とし込んでみて、間取りの変更は、水廻りなど必要最小限の部分にすることをおすすめします。
屋根の形状や勾配も、どうしてもでない場合は、変更しないことをおすすめします。
設計時には、どういったことに費用がかかるのかをしっかりと担当者と擦り合わせながら進めることがとても重要です。
古民家の特性を深く理解し、その場である程度の費用感を計算できる設計者にお願いするのもポイントだと思います(^_^)
④ 付帯費用・諸経費
その他に必要となる費用のことです。
例えば、仮設足場、確認申請費用、地盤改良費など、目には見えにくいですが、家を建てるために必ず必要となってくる費用のことです。
これは、古民家移築でも新築住宅でも同じように必要となります。どちらかと言うと、古民家移築の方が付帯費用はかかりやすくなります。
例えば、
✓ 職人滞在費、出張経費
古民家移築の場合、遠方へ移築するパターンが多くあります。その場合は、職人が滞在するためのアパート代、交通費、各種経費がかかります。
もちろん、近場への移築でしたら必要ありません。
✓ 構造計算費
古民家の多くは現代の在来工法とは異なる、伝統構法で建てられています。そのため、そのままでは建築基準法をクリアできない可能性が高いのです。
なるべく古民家らしさを残して移築するために、構造計算を依頼することもあります。
✓ 重機費用
一般的な新築住宅の場合、クレーンを使用した上棟は1~2日で行うことができます。古民家の場合だと1週間程度かかることもありますので、クレーン代が多くかかりやすくなります。
また、10m近い長大な部材を扱うこともあり、クレーンやトラックも大きなものが必要となることが多いです。
このように付帯工事や各種経費は、目に見えにくいものだからこそ、把握し理解しておくことが大切です(^_^)
今回は「古民家移築の費用は?」というテーマで書いてみました!
もちろんケースバイケースではありますが、冒頭に書いた
「新築の注文住宅 ≦ 古民家移築」
は、参考にしていただけると思います(^_^)
それでも、やはり間違いないのはしっかりとお見積りをとることです。概算でもけっこうです!
相談するときに大切なポイントは4つ。
✓ 元となる古民家は決まっているか
✓ どこからどこへ移築するのか
✓ 移築後の建物のイメージ
✓ おおかたの予算感
この辺りをできるだけ明確にしておくことをおすすめします。
また、古民家移築のような専門的なお仕事は、業者さん選びがとても大切です!
移築の経験豊富な業者さんにお願いすることで、蓄積されたノウハウをもとに効率的にムダの少ない仕事をしてくれます(^_^)
ムダなところに費用を使わず、大事なところにしっかりと費用を使って、みなさまが有意義で楽しみながら、古民家移築をして頂けることを願っています(^_^)
この記事を読んで、憧れの古民家移築に向けて少しでも理解を深めていただけたなら幸いです!
それでは、また次回(^^)/~~~
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