飛騨高山の匠、そのイメージとは
飛騨高山。かつて江戸幕府直轄の“天領地”であり、市域の約9割を今も山林が占めていることからもわかるように、木材に関わる仕事は昔から地場産業のひとつだった。また豊富な木材を使った工芸品が自然発生的に多く生まれ、建築物も豪雪に耐えられる頑丈なものへと工夫を重ねていったことが、今に残る美しい景観をつくりだしている。聞けば、来日経験のある外国人がもう一度訪れたい日本の街を選ぶ際に、高山市は常にトップにランクインしており、リピーター率が高いのだとか。
道の両側に迫るようにして建てられている市中・三之町あたりの、2階建の日本建築と飛騨の山並みの風景が、外国人が抱く日本の山里のイメージそのものなのだろう。そしてそれは、日本人にとっても同じで、飛騨高山に連綿と紡がれた匠の技に、日本人も永遠の憧憬を抱くようである。